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アメリカでも「培養鶏肉」が販売開始!?

今こそ「培養肉」の正しい知識を身につけよう

最終更新日:2023年6月23日

Q: 「培養肉」のメリットは?

A: たんぱく質の安定供給が脅かされる可能性に備える観点で、細胞性食品は新たな選択肢として注目されています。また、環境負荷や動物倫理、マイクロプラスチックや水銀などの関係でお肉やお魚を避けていた消費者の方にとっての新しい選択肢になる可能性があります。

もっと知ろう

たんぱく質をどのように確保していくのか

 世界的な人口増加、特に新興国における経済発展等により、お肉やお魚と言ったたんぱく質の需要は今後も増加すると言われています。

 その一方で将来的には、異常気象等によって穀物をはじめとする飼料資源の供給が追いつかなくなる可能性や、今まで獲れていた魚が獲れなくなる可能性もあります。また、ウクライナ危機等の地政学的なリスクによって、食品や飼料の価格高騰や供給の乱れがいつまた生じるとも限りません。

 

つまり、お肉やお魚などのたんぱく質の需給のバランスが安定した状態で保たれる保証はありません。

このような背景から、たんぱく質を安定して確保する方法の一つとして細胞農業による細胞性食品(いわゆる「培養肉」)の生産への期待が高まっています。

持続可能が高い食品として

 細胞性食品が新たな選択肢として注目されている理由の一つとしては、細胞に直接栄養を与えて必要なたんぱく質を生産できるため、従来よりも少ない資源で動物性たんぱく質を得られる可能性があるからです。

 

 国際的な穀物市況等の影響を比較的受けにくいたんぱく質を確保しておくことは、国内で消費される飼料の約75%を輸入に頼る日本にとって必要ではないでしょうか。

 

また、より少ない資源で生産できるため、従来のたんぱく質生産に比べて環境負荷が小さく、持続可能性が高いとも言われています。

従来のお肉の生産と細胞農業における「お肉」の生産のイメージ

細胞性シーフード

 細胞農業による細胞性シーフード生産の場合、最初に魚からいただく細胞についてしっかりとチェックを行うことができることによるメリットが考えられます。例えば魚が海の中で過ごす中で体内に蓄積されるマイクロプラスチックや水銀、寄生するアニサキスなどの寄生虫の影響なく食品を製造することが可能となるかもしれません。

 環境負荷や動物倫理については、現時点での細胞性食品ではすべてが解決されたとは言えない状況ですが、可能性が感じられる技術であると言うことはできるでしょう(詳しくはQ:「社会課題の解決への貢献可能性は?(近日公開予定)」をご参照ください)。

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